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2018年11月 3日 (土)

FT8ペディションモードとQSOの機会均等化

夏のKH1/KH7Z、Baker and Howland Is.のペディションで本格的に使われ始め、先日のVP6D、Ducie I.ではすっかり定着した感のあるFT8ペディションモード。

最初は、送受信にそれぞれ15秒掛かるFT8の効率の悪さを改善する単なる「QSO効率化」モードではないかと思っていたのだけど、実際に二つのペディションで使ってみて、実はそれ以上の効果をもたらす今までにないモードなのではないか?という気がしてきた。

「それはどういう効果なのか?」と言えば、

「従来のパイルアップに伴う様々な弊害を軽減し、Fox局とHound局の間に電波伝搬さえあれば、パイルアップ参加局にQSOの機会を均等に与える効果」が期待できるということ。

そう考える理由は以下の通り。

(1)Fox局とHound局が同時に送信してしまうことがない。

⇒これはペディションモードと言うよりはFT8の効能なのだが、従来のパイルアップでは意図するしないに関わらず、DX局の送信中に呼んでしまう局が後を絶たない。FT8ではそんなことをしていたらいつまでたっても交信できないので、そういうことをする局は減る方向に働くはず。

(2)Hound局は、他のHound局と周波数がかぶらないように呼ぶことが出来る。

⇒これもFT8というかWSJT-Xの機能のおかげなのだが、WSJT-Xにはバンドスコープが付いているので、自局で受信できる限りにおいて他のHound局をうまく避けながら呼ぶことが出来る。帯域幅も50Hzしかないので、UP1~3KHzの間であれば、最大40局がお互いかぶらずに呼べることになる。これは従来のモードでは成しえない効果。

(3)一度ピックアップされたら、他のHound局に邪魔されず交信を進めることができる。

⇒これはペディションモードの良く考えられた機能。Up0~1KHzの間は、ピックアップされた局との交信のために予約されているので、いわゆる「呼び倒し」をする局に邪魔されることなく、交信終了まで持っていける。

以上のような理由から、FT8ペディションモードのパイルは、従来のモードのパイルに比べてかなり「お行儀良く」なっているはず。Fox局のほうはスキマー的に、ある一定の帯域幅の中の聞こえた(見えた)局をピックアップしていくわけだから、基本的に、Fox局とHound局の間に電波伝播があって、信号が届いてさえいれば、そのうちQSOのチャンスが訪れるように思える。

DX局を追いかけるには、どうしても高いタワー、多素子のビームアンテナ、そして高出力のリニアアンプを必要とするが、それは「相手に電波を届けるため」と言うよりは「パイルアップに勝つため」という側面が大きい。環境面、資金面でそういったものを用意できないDXerは長年涙をのんできたと思うし、そういった力まかせの世界に嫌気が差している人も多いはず。しかしFT8ペディションモードの登場はそういった状況に変化をもたらす可能性がある。

もちろんFT8ペディションモードの交信はレポート交換のみで、それ以上のメッセージを交換することは出来ないし、Fox局が複数局を相手にし始めれば、Fox局の信号ががくんと弱くなってしまう原理的な問題はあるのだが、個人的には従来のDXの世界に付きまとっていた嫌な側面を幾分でも改善してくれそうな気配がして、今後FT8ぺディションモードがどのようなモードとして受け入れられていくのか、期待している。

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FT8」カテゴリの記事

コメント

交信の機会均等化や輻射電力の低減化の部分では非常に魅力的なモードであると思います。
ただ JT65モードが使用され始めた当初は微弱電界(月面反射波や長波・中波帯)での通信やQRP若しくはアパマン運用でアンテナや出力に制限のある局に恩恵があるモードだと考えていましたが
昨今のJT/FT8モードにQRVして来る局には大電力・高利得アンテナを使用している局も多くなっている様に感じます。
パイルアップでの被せや潰しあい・Ped局との同時送信が無い事は無用なトラブル等が無く効率的になって 総交信数の増加にも寄与していると思います。(Pedモードを理解していない局も未だにいらっしゃる様ですがhi スプリット運用時のVFO設定操作の間違い的な局も!)
信号強度の弱い局から順にピックアップする運用があったら楽しいDXingになりそうです(拙者の様な弱小局の願い!)
FB DXを!

JT65は当初、「QRPerやアパマンハム向きであり、パワーはあまり入れるべきではない」といわれていましたよね。それで私は25Wくらいでやっていましたが、いつの間にか皆さんパワーを入れ始めた感があります。

FT8はたぶん皆さんフルパワー入れてきているんじゃないかと思います。送信時間も13秒くらいですから、終段管への負荷を気にするほどではないと思いますし。
FT8でも周波数が重なれば「呼び負け」はありますよね。運用する局が増えてくると、また同じパワーゲームに陥る可能性もあると思います。

パイルのときに弱い局から拾うか強い局から拾うかは人によって違うようで、とにかくうるさい強い局を先に片付けてしまってからじっくり弱い局に取り掛かるほうがよい、という話も聞いたことがあります。私も弱いほうから拾って欲しい派ですが、WSJTにそこまで実装されるかどうか?K1JTに直談判したらなんとかなりますかね(笑)。

フィルター機能に「-〇〇dBより弱い信号のみデコードする」なんて機能を付けていただけるとFBなのですが!
同じ周波数に出られたら無理ですがスペクトル画面を上手く利用してスマートに交信出来る様 PCのパワー(CPU等)を大きくしたいです!
FB DXを!

「-〇〇dBより弱い信号のみデコードする」

なるほど!それなら簡単に出来そうですね!
K1JTに提案したい衝動が・・・(笑)。

フィルター機能に「-〇〇dBより弱い信号のみデコードする」なんて機能を付けていただけるとFBなのですが!
同じ周波数に出られたら無理ですがスペクトル画面を上手く利用してスマートに交信出来る様 PCのパワー(CPU等)を大きくしたいです!
FB DXを!

JT65を始めた頃に、ローパワーで...と言われていたので従っていましたが、滅多にリターンが返って来ないので、現状150WぐらいでQSOしています。
それでも貰うレポートは低い値なので、もし15Wならばレポートは10dB下がる訳で、そうなると-25を下回ってしまいます。
はじめからローパワーでは無理だったたいうことが明らかで、簡易なアンテナやQRPで遠方と交信できるというのは、単なる希望だったのではないでしょうか。

LSFさん

JT65では150W入れていらっしゃいましたか。
「JT65はローパワーで」というのは誰が言い始めたのでしょうね。
結局「弱い信号でも拾えるからパワーは入れなくても良いんじゃないか」くらいの、あまり根拠のない理由だったのかもしれませんね。
私は、JT65はもうすっかりやらなくなってしまいました。

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